この記事では、アカソ染めの手順や方法を丁寧に紹介いたします。
アカソはしっかり染料の取れる植物で、赤みの強い茶色が染められます。
8月下旬、花が咲いたアカソを使って草木染めを楽しませていただきました。
それでは早速染め方の手順を見ていきましょう。
アカソ染めに必要なもの
- アカソの茎葉・花など (染めたい量の3倍〜)
- 染たい布や毛糸など
※コットンや麻などの植物性素材を染める場合、たんぱく処理をしないと染まりが悪くなってしまいます。
詳しい方法はこちらをどうぞ - 鍋
- ざる
- ボウル
- こし布
- 菜箸
- 媒染剤(ミョウバン・銅・鉄など)
※媒染剤についてやキッチンで作れる媒染剤の作り方はこちらをご覧ください。
アカソを使って染める方法・手順
1.アカソを3cmくらいの大きさに切る
2.アカソをざっと洗い、鍋に入れる。水をアカソがひたひたになるくらい加え、火にかける。
中火で30〜40分加熱し、そのまま1時間くらい放置するとこんな感じになる
↓
3.アカソの染色液を濾す
ザルの上に濾し布を敷き、染色液を濾します。
濾した染色液は2〜3日置いておくと酸化し、赤みが濃くなるといわれています。
私は2日間置いておきました。
アカソの染色液
4.染めたい布や毛糸などの下処理を行います。
※動物性の素材以外はタンパク処理が必要です。
豆乳や牛乳で処理する方法と市販の濃染剤を使って処理する方法があります。
※毛糸はデリケートな素材のため、染色時は注意が必要です。
ウールの染色時のポイント・下処理方法
5.染色液に下処理を施した布などを鍋に入れ、中火で30〜40分煮る。途中何度も菜箸で布を泳がせる。
その後、1時間くらい置いておく。
染めたい布をゆったりと泳がせられるくらいの鍋&染色液を用意します。
ワクワクするくらい赤く染まっています。
※しっかり濃く染めたい場合は長めに染め(加熱したり置いておく時間を長めにとる)薄めがよい場合は短めに切り上げるとよいです。でも、その分少し退色も早くなってしまいます。
6.しっかり水洗いする
水が透明になるまで水洗いします。
7.媒染液の中に入れ、ゆったり泳がせながら中火で20分くらい加熱する
ごめんなさい!行程6で水洗いしたTシャツを媒染液に浸している写真を撮り忘れてしまいました。上の写真はアカソの2番液で染めたTシャツを銅媒染液に浸してあるところです。
8.水洗いして、洗濯機で脱水する。その後、風通しのよい場所で干す。
完成!
アカソ染めの色について
コットンの染色見本です。
今回実施したアカソ染めのレポート
8月23日
約380gのアカソを使って染めました。
1番液をとった後、水を足して2番液まで抽出。
1番液
【1回目】60gのコットン100%のTシャツ(縛ってムラ染めに)と30gのウール100%の毛糸を染めました。
【2回目】上記のTシャツと毛糸を染めた後の1番液の残りでさらに30gのウール100%の毛糸を染めました。
2番液
コットン100%のTシャツ150gを染めました。上の写真の下に敷いている布がそのTシャツです。銅で媒染処理を行いました。
アカソ(赤麻)とヤブマオ(藪芋麻)の違い
アカソもヤブマオも同じイラクサ科の植物です。
アカソがよく生えている場所は、草原や山道の道幅だといわれています。ヤブマオは山地ではなく、平地の草原や道幅を好みます。
アカソの方が赤い色素を多く含まれ、花や茎がヤブマオに比べて赤みがかっています。
そして見分けるポイントは葉っぱの形。上の写真をご覧いただくと分かるように、アカソは上の部分が三叉になっていますが、ヤブマオは紫蘇のようにだいたい均等にギザギザがついています。
植物を採集する時、「これはヤブマオ?アカソ?」と迷うことがあるかもしれませんが、あまり神経質にならなくてもよいかもしれません。
染色結果は若干アカソのほうが赤茶っぽさが強くなるという程度で、大差はありませんでした。
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