藍の効能 冷え性や肌荒れにも
藍で染められた下着は、昔から、冷え性やあせも、肌荒れなどに効果があるといわれています。
防虫効果も高く、江戸時代の衣類も藍で染まった箇所だけ虫が喰わなかったそうです。
高価な着物は、藍の風呂敷で包む習慣がありました。
また、水虫に効く、マムシよけにもなるとして、手甲・脚絆(しゅこう・きゃはん)を染めていたという話も伝えられています。
「藍染の肌着や靴下は臭くならない」ということを実感されている方も、多いようです。
実際に、藍で染めてみると、しばらく藍の清々しい香りが布に残っていて、着ているととても気持ちがいいんです。
藍は染めるだけではなく、漢方としても、湿布や内服薬として用いられてきました。
藍実(らんじつ)の薬効
藍実(らんじつ)とは藍の種のことです。
「神農本草経」(中国最古の薬物書)には、主な効能が書かれています。
- 体内に入った諸処の毒物を解することができる。
- 長いこと服用していると、歳をとっても頭の毛が白くならず、身の動きが軽くなる。
- 水200mlに藍実(種)3~10グラムを加えて3分の1の量になるまで煮詰めて服用すると、解毒・解熱の効能がある。
- 新鮮な葉汁は、毒虫に刺された時に、患部に外用を目的として使用する。
- 葉は月経不順や痔にも効果があります。
これだけでも、すごい効能がありますよね!
ますます、藍を好きになってしまいます。
実際に食べてみよう!
藍の葉の味は。。。
苦いです。(ゴーヤと同じくらいかな)
そしてさわやかな香りがします。かすかな甘みもあります。刻むとぬめりもでます。食べ終わると口の中に清涼感が続きます。乾燥させると海苔のような風味も感じられました。
けっして美味しいものではないので、単独でレタスのように、サラダのでムシャムシャ食べるのにはオススメしません!
でも、その他にも薬膳として食べられている高麗人参などのように、上手にアレンジすれば食べれます。
焼いた鮎を頂く時によく、「タデ酢」が添えられますが、このタデ酢も、タデ藍を使った調味料なんですね!
独特のさわやかな香りや風味を活かして、料理のアクセントにしてみませんか?
藍のレシピ
藍のちらし寿司の作り方
ミイラも藍染め!藍の歴史
藍は歴史的にみても長い間。世界各地で染料として使われてきました。
エジプトでは5000年前頃の、白ではなく藍染めされた包帯に包まれたミイラが発見されたそうです。
古代エジプト人も、藍も効能を実感し、大切なミイラを包む布を藍で染めていたんですね。
日本では万葉時代にタデ藍で染色が行われた記録があります。
聖徳太子が制定した冠位十二階制では、第二位が青色とされ、上層貴族は藍染めの着物をまとっていたようです。
藍染めは、原料となる植物は、実はタデ藍だけではありません。
染料の成分であるインジゴを含む植物は実は13種類もあるんですよ。
北海道エゾ大青(タイセイ)と呼ばれるアブラナ科の植物。
沖縄では琉球藍と呼ばれるきつねのごま科の植物を使って藍染を行っています。
上の写真からも、掛け軸を包んでいたと思われる風呂敷が藍で染められていますね。女性達も藍染では?と思われる着物や帯を身に着けています。
この写真は江戸時代の浮世絵がプリントしてある、クリアファイルを撮ったものです。
その為ちょっと見づらい画像になっておりますが、お許し下さい。
「ジャパンブルー」はどこから来た?
サッカー日本代表のユニフォームなど、「サムライブルー」と呼ばれていますよね?
恥ずかしい話、私は「なんでブルーなんだろう?日本は海に囲まれてるから青なのかな?」なんて思ってました。
その答えは藍染めだったんですね。
明治時代に来日した外国人が、藍を染料とした青が多いことが印象に残ったことから、「ジャパンブルー」と名付けたそうです。
明治8年に日本政府が招聘したイギリスの科学者、アトキンソンが「日本に来て全国至る所で藍色の衣装をみる」と手記の中で述べています。
その文章中で藍を「ジャパンブルー」と記したそうです。
藍の生産は1883年にドイツ人のバイヤーがインジゴの合成に成功すると、安価な化学染料が出回るようになりました。
安価な化学染料に押され、明治36年には15,000haも栽培されていた藍は明治後期から少しづつ減少していきます。
昭和40年代にはわずか4haに落ち込んでしまったそうです。
そして昔ながらのナチュラルな生活が見直される今。
藍染の需要も増え、平成24年には栽培面積が23ha以上に回復しています。
本物のジャパンブルー。私もどんどん身につけて、大切にしていきたいです。
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