ここでは、藍を育てる方法や、藍の生葉染めの詳しい方法やポイントなどを紹介しています。
藍染めって「藍をたてる」のが難しそうと思いませんか?
私も、そう思っていました。でも、発酵などの技術のいらない「生葉(なまば)染め」という方法があるんです!
それには生の藍の葉っぱが必要なので、私は藍を育てる事から始めました。
ハードルはちょっと高いような気がしますよね。でも、藍は強健で、1度植えれば、こぼれ種から独りでに生えてきて、毎年、藍染めをすることが恒例になりますよ!
毎年顔を出してくれて、染めてる時に包まれる爽やかな香りに癒され、染めた物を身に着ければ肌を守ってくれる。
まるでタデ藍が自分に寄り添ってくれてるみたいに感じることすらあります。
プランターでもよく育ち、靴下やハンカチ等の小物を染めるには十分な量が収穫できるので、ぜひ、初めの一歩を踏み出してみてください!
生葉染めでは濃紺に染めることはできません。また、タデ藍を育てるのは「ちょっと無理そう」と感じた方は市販の藍染めキットを利用すればすぐに藍染めを楽しむことができます。
こちらの商品はタデ藍ではなく、インド藍というマメ科植物の藍を使って藍染ができます。
目次
タデ藍の種の入手方法
ホームセンターや園芸店では、まずお目にかかれません。インターネットで検索すると…種を無料で配布してくださる方々がいっらしゃいました!
本当にありがたいですね。
私は兵庫県にある武庫川女子大学生活環境学部・生活環境学科・教授 牛田智(うしださとし)先生の研究室からいただきました。
種の配布は毎年2月から藍の種まきの時期(3月〜5月ころ)に合わせて配布してくださっています。
こちらがそのホームページです。
牛田先生の研究室では、天然染料、特に日本の伝統工芸である藍染めをテーマに、化学的なアプローチをされています。研究の結果、藍の生葉染めによる紫染めが簡単にできる方法がみつかったそうです。
このホームページでは、そんな研究の一端が紹介されたいます。例えば…
- 基本的な染め方の方法
- 天然染料に興味のある方のための化学的な情報
- 染織品をフランスやイギリスに訪ねる仮想旅行のページ
など、藍染めにまつまるさまざまなコンテンツがあって、おすすめです。
また、千葉県で草木染めをされている香草庵さんでも種の配布をしてくださっています。種の配布は状況によって変わりますので、配布を中止される場合もあると思います。ホームページで最新の情報を確認してくださいね。
藍を自分で育ててみよう
タデ藍はタデ科の1年草
一度、藍を育てている農業試験場の方にもお聞きしましたが、その方も
「基本的にその辺に生えているタデ科の雑草と同じでよく育ちます。あまりコツはありません!」
とおっしゃっていました。
生育にはそこまで影響しませんが、アブラムシが寄ってきます。
水を好む植物で、成長した藍を上から15cmくらいのところを切って水につけておくと、あっという間に根が出てき成長します。
プランターで育てる場合は特に、水切れに注意してくださいね!
藍の種まき
タデ藍の発芽適温は20℃〜25℃
30℃でも発芽しますが、5℃〜10℃になると発芽に時間がかかったり、発芽しなかったりします。
そのため、ビニールハウスなどの温室で育てる場合を除き、3月頃種を撒きます。
しかし、霜にあたると枯れてしまったりするので、寒い地方では4月に種まきを遅らせた方が安全です。(その分生育は遅れてしまいますが)
種がたくさんある時は畑に直播きでもいいと思いますが、個人的には藍は脇芽からどんどん成長して大きくなるので、苗を作ることをオススメします。
あまり丁寧な作業を行わなくても、芽はでてきますが、ここでは、やや丁寧な方法をご紹介したいと思います。
ちなみに家の畑では、タデ藍は1度畑に蒔くと、次の年はこぼれ種から次の年あちこちから出てきますよ!2年目からは種まきしなくてもいい位でした。
1 適当なトレイや発泡スチロールの箱プランターなどを用意します。
2 そこに土を入れ、上から押さえます。なるべく平らになるようにするのがポイントです。
3 巻き筋をつけます
4 撒き筋に種を撒き、5mm〜1cmくらい覆土します。 最後にたっぷり、優しく水をかけてあげます。
芽が出てきました♪
※ごめんなさいm(_ _)m ここから写真撮影をしていませんでした。。。 次回に撮影してアップしたいと思ってます。
それから約1ヶ月後、苗が2〜3cmくらいになったら1cm間隔に間引きます
本葉が5枚くらい出てきたらポットに移植します。
プランターなど大きめの容器で育てている場合はそのままで大丈夫です。
種まきから約2ヶ月
約20cmくらいに育った苗を畑に定植します。30cm間隔で植え付けます。
定植からさらに2ヶ月
元気もりもり
1回目の収穫をします。根本10cmくらいを残して刈り取ります。根本を残しておくとまたどんどん成長します。そして花が咲く前9月はじめ頃が2回目の収穫の目安です。
定植から収穫までの間、もっと栽培面積を増やしたい方
育て方の冒頭でもお伝えしましたが、成長した藍から簡単にどんどん増やすことができます。上から15cm〜20cmくらいの所を切って水につけておくと1週間で元気に根がどんどん伸びてきます。それを畑に植えます。
水につけずにそのままポットに土を入れたものに切った藍を挿し、水が枯れないように管理してあげるだけでも育ってくれます。
次の日はこんなに萎れて元気がありませんが、いつのまにやら元気な姿に戻ります。
身近に見ているとつくづく。。。生命力の強さに驚かされる藍。藍で染めた服を着ても、食べても、「きっと私たちを守ってくれるはず」と確信のようなものがこみ上げてきます。
タデ藍の花
染めてみよう(生葉染め)
長い道のりでしたが、ようやく染めの段階までたどり着きました。
ここでは、藍の葉を乾燥、発酵して染める方法ではなく、藍の葉っぱさえあれば1日で簡単に染められる方法(生葉染め)をお伝えします。
藍染といったら濃紺のイメージが強いと思いますが、生葉染では水色、浅葱色に染まります。
生葉染めのポイント
●洗濯物がよく乾くお天気のよい日を選びましょう。
●染色液に漬けすぎる&染色液を作ってから長時間放置すると、くすんだ色に仕上がります。(くすんだ色も素敵ですよ)
●シルクやウール使い込んだコットンはそのままでも染まりますが、新品のコットンはそのまま入れてもほとんど染まりません。豆乳を使ってたんぱく処理が必要になります。
生葉染めに必要なもの
・ タデ藍の葉
(タデ藍の生葉染に必要な葉(茎は含みません)の量は染める布の重さの5倍〜15倍です。)
・ ミキサー
・ 大きな鍋など
・ ゴム手袋
・ さらしの布で作った袋や、目の細かい洗濯ネットなど
タデ藍の生葉染めの手順
1 藍を刈り取ります。
この時下から10−15cm程度残しておくと、脇芽からまた藍が成長します。
2 刈り取ってきた藍を洗います。
大人用のTシャツ1枚染るのにも結構な量になります。
家ではお風呂場の浴槽に刈り取ってきた藍を入れ、上からシャワーをかけて洗っています。決して最良の方法ではないと思いますが、家ではこれが一番でした。
ゴミや土、虫などでてくるので、排水口がつまらないように注意してください。
3 茎から葉だけを取ります。
4 ミキサーに葉と水(ミキサーが回わすのに必要な量)を入れ、葉をなるべく細かくします。
5 ミキサーにかけた葉をさらし布や、写真に写っているような、目の細かい洗濯ネットなどで濾す。
葉を濾した水分(染液)は捨てないでくださいね。
ポイント
布やネットに入った葉は、外に流出しないように、しっかりと包んでください。葉が染液に入ってしまうと、染めムラの原因になります。
(細かくした葉っぱが染色液に出ないようにしましょう)
6
染める布をゆったりくぐらせることができるくらいの水の中で(葉を濾した時の染液と一緒に)袋の中の葉をよく揉む。
7 染めたい布などを、水で濡らし、軽くしぼる。
8 濡らした布を染液の中にゆったりと布を動かしながら浸す。
20分〜30分くらい浸しておきます。
この時、空気中に染め布が出ないように注意してください。
9 布を軽く絞ったら しっかりと広げて、日陰で乾かします。
完成!!
乾いてから再度、染液に浸して、色を多少濃くすることもできますが、多少くすんだ色合いに染め上がります。
タデ藍の生葉染め 毛糸
ウールやシルクはよく染まります!
動物性の素材を染めると濃い藍色が現れます。
濃い色と薄い色が欲しい時は、一気に染液に付け込まず、何回かに分けて染色してみてくださいね。
上の写真は、同じ染色液で、それぞれ20〜30分染めたものです。 左から1回目、2回目、3回目。
1回目と2回目は比較的クリアな感じで、色の濃淡が出ました。
3回目は、染色液を作って方1時間以上経ったからか、ちょっとくすんだ水色に染め上がりました。
染めるだけじゃもったいない! こちらで藍の効能とレシピを紹介しています。 よかったら見てみてくださいね。
藍の生葉染め片付け方
最後に、藍の生葉染めに使用したネットの洗い方の裏技を紹介します。
ネットやさらし布の中に入った細かい藍の葉っぱカスは水洗いだとなかなか取り切れません。
そこでオススメしたい片付け方は、天日干しする方法です。
大体の藍の葉っぱカスをボトっと捨てたらそのままカラッカラに乾かします。乾いたネットをパタパタとはたくだけで細かいカスを取り除くことができますよ。
その後、水洗いすれば完了です。
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