炭水化物




英語名:carbohydrate

炭水化物は、大きく2つに分けられます。消化・吸収される糖質。消化・吸収されない食物繊維。食品から採れる糖質は、ほとんどが米・パン・麺類・穀類・芋類に含まれるでんぷんです。
糖質は1gあたり4kcalのエネルギーを生み出します。糖質は分解・吸収が早く、たんぱく質や脂質に比べてすぐに利用されます。

食物繊維は、「消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」です。難消化性のオリゴ糖なども含まれます。

炭水化物の体内での働き

糖質は、体内で消化・吸収されて、単糖類であるブドウ糖に分解されます。ブドウ糖は、血液によって体中の細胞に運ばれます。そして、エネルギー源として利用されます。脳、神経細胞、赤血球などは、通常はブドウ糖しかエネルギー源として利用できません。糖質は、そのような組織にブドウ糖を供給する、大切な役割があります。

脳は、基礎代謝量の約2割のエネルギーを消費します。血糖値が下がると機能も落ちますが、数時間は肝臓のグリコーゲンが分解されて、血中にブドウ糖が供給されます。また、身体の体タンパク質や体脂肪が分解され、アミノ酸など糖以外の栄養素からブドウ糖を合成する仕組みもあります。これを、糖新生といいます。

炭水化物は、どのくらい摂ればいいの?

一日の基礎代謝量を1500kcalとすると、脳のエネルギー消費量は1日300kcal。これはブドウ糖75gに相当します。ブドウ糖は脳以外の組織でも使われるため、1日に100gはあったほうが良いと考えられます。ただし、糖新生などによって体内でも供給されるので、食事から必要な最低量は、100g以下です。普通に生活していれば100g以上の炭水化物を摂取しているので、最低必要量は満たされているといえます。

炭水化物と同じくエネルギー源となる脂質やたんぱく質は、エネルギー源としての働き以外に、必須脂肪酸や必須アミノ酸といった必須栄養素を供給する役割もあります。そのため、炭水化物の摂取量は、脂質やたんぱく質とのバランスを考える必要があります。

炭水化物を多く含む食品(100g中)
精白米ご飯37g 胚芽精米ご飯36g 玄米35.6g そうめん72.7g パスタ(乾)72g 食パン46.7g

不足すると

不足しても、たんぱく質や脂肪が分解されてエネルギー源となります。(糖新生)
しかし、不足が長く続くと、たんぱく質が過度に分解されて筋肉が減少したりします。体脂肪が過度に分解されると、血液中のケトン体が増加することでケトン体になり、嘔吐などが起きる可能性があります。

摂り過ぎると

健康な人は、とくに影響はありません。とりすぎの状態が長く続くと、肥満の原因になります。余ったブドウ糖はグリコーゲンとして蓄えられ、消費されます。しかし、それでも余ると、脂肪組織に運ばれて体脂肪として蓄積されます。

コラム1 甘いものに注意

甘いものには炭水化物が多いです。砂糖の主成分のショ糖は、100g中100gが炭水化物。ブドウ糖と果糖がくっついた二糖類です。砂糖は虫歯の原因になります。

 

コラム2 GI値

GI値とは摂取した食品が消化・吸収され、血糖値がどのように上昇するかを数値化したものです。GI値は基準となる食品との比較によって、数値が決まります。同じ糖質量でも、GI血が低い食品は摂取後の血糖値の上昇が抑えられます。血糖値のコントロールが重要なポイントである糖尿病にとって、重要な指標のひとつです。
逆に言えば、GI値が異なっても、摂取するエネルギー量は同じです。だから、GI値をダイエットの指標にするのは、疑問です。

 

コラム3 炭水化物中毒vs炭水化物ダイエット

炭水化物の摂取を控えるダイエット法、いわゆる「糖質制限」が最近流行っています。炭水化物の摂取でインスリンの分泌が過剰になり、満腹感を感じることができずに炭水化物を欲してやめられなくなる『炭水化物中毒』に警告を発して、炭水化物の摂取量を減らすようにすすめているものもあります。ただし、炭水化物中毒という病態は、正式には存在しません。

炭水化物は大切なエネルギー源です。たんぱく質・脂質・炭水化物の3つのエネルギー源があり、そのバランスが大事なのです。糖質制限は、素人がやるには、あまり健康的とは言えません。医者やプロの管理下でするのが望ましいですね。

 

コラム4 人口甘味料

砂糖の摂り過ぎは、健康に悪いのは周知の通りですよね。肥満、糖尿病、メタボなどにつながりますし、適度な摂取量を保つことが大切です。
一方、甘味は食生活に欠かせない味覚です。「甘味はほしい、でも糖質は控えたい」こんな願いを叶えるのが、人工甘味料です。キシリトールのように糖質のもの、アスパルテームなど糖質ではないものがあります。
糖質の人工甘味料は、砂糖よりも低エネルギーですが、エネルギーがゼロではありません。砂糖に近い、自然な甘味がします。
対して、非糖質のものは、甘味が強いものが多く、ほとんどエネルギー源にはなりません。アスパルテームは、アミノ酸から作られ、砂糖の約200倍の甘さがします!(うひゃー)

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