アルコール




英語名:Alcohol

アルコールは、栄養素ではありません。主に、糖質を発酵して作られる酒ーーアルコール飲料の成分です。

アルコールの吸収

アルコールは、一部は胃から、大部分は腸から吸収されて血液に入ります。分子量が小さく、水溶性かつ脂溶性です。そのため、速く吸収され、全身に行き渡ります。

アルコールの分解

吸収されたアルコールは、肝臓で分解されます。まず、アルコール脱水素酵素でアセトアルデヒドに分解され、さらにアルデヒド脱水素酵素により酢酸に分解されます。酢酸は血液によって全身をめぐり、最終的には水と二酸化炭素に分解されて体外に排出されます。摂取したアルコールの一部は、分解されないまま尿や息(呼気)から排出されます。

代謝速度

アルコールの代謝速度は個人差が大きいです。食習慣や飲酒歴などさまざまな因子にも影響されます。一般にアルコール飲料中のアルコール濃度が高いほど、吸収は早い傾向にあります。胃に食物がある場合は、アルコールの吸収は遅くなります。アルコールが、胃から腸に送られる速度が遅くなるためです。空腹時にお酒を飲むと速く酔いがまわるのは、このためです。

コラム1 飲酒の適量って?

適量の飲酒は、「心筋梗塞の発症率の低下」「脳梗塞の発症率の低下」「HDL(善玉コレステロール)が増える」などの報告があります。ストレスの解消、披露の回復などの利点があるとされています。

ちなみに「適量」とは、日本酒1合(180ml)、ビール大瓶1本、ウイスキーのダブル1杯程度です。ただ、適量にも個人差があります。

 

コラム2 飲み過ぎると…こうなる!

過度の飲酒を続けると、肝臓障害をもたらします。脂肪肝やアルコール性肝炎、肝硬変、肝臓がんなどは、アルコールの過度な摂取が原因になることも多いです。また、アルコール中毒や、胃などの消化器系の疾患、循環器系や呼吸器系、生殖系など、全身の器官に障害をもたらします。

 

コラム3 飲酒するときの食事は?

アルコールにはエネルギーが(1gあたり7kcal)含まれています。しかし、それ以外の栄養素はわずかです。他の食品との組み合わせが良くないと、栄養障害にもつながります。

ビタミンB1は、アルコールの代謝・分解に関わり、多く消費されます。お酒を飲むときは、ビタミンBaを多めに摂りましょう。

 

コラム4 日本酒に似ている「みりん」

みりんは、もともとお酒の一種でした。現在では、調味料として使われています。江戸時代には、栄養補給の目的で飲まれていました。いまでも、飲料用のみりんは販売されています。

「みりん風調味料」というものもあります。エネルギー量は同程度ですが、本みりんのアルコール標準度数は約14%。みりん風調味料は、アルコールはほとんど含まれていません。

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